履歴書と個人情報保護①:個人情報保護法について
皆さんが求人企業に提出する履歴書には、名前、住所、電話番号のほか、学歴や職歴、保有資格・特技、趣味、家族構成…と、さまざまな個人情報が盛り込まれています。一方、「あつまるくん」には「採用されたが、会社が履歴書をちゃんと管理してくれているかが不安」「採用されなかったので履歴書を返却してほしい」などと、プライバシーに関する不安を訴える相談も多く寄せられています。
今回と次回は履歴書と個人情報保護の問題について取り上げます。
2003年に「個人情報保護法」が成立しました。この法律に基づき2004年に厚生労働省が策定した「雇用管理に関する個人情報確保のための指針」の中で、個人データ(情報)を安全に管理するための責任者を選任することや、個人データの取り扱い従事者がみだりに第三者に内容を知らせたり、不当な目的のために使用したりしないことなどが努力義務として定められました。
採用後、履歴書の中身が「人事担当者以外に職場の上司や同僚の間に広まっていた」と訴える人も多くいますが、この職場の上司や同僚が「第三者」に当たるかというと、そうとは言えないため、直ちに個人情報保護法や指針に違反することにはなりません。ただ、関連する別の指針の中では、「正当な理由なく他人に知られることがないよう、厳重な管理を行わなければならない」ことが定められているため、配属先の上司の机の上に誰でも読める状態で履歴書が無造作に置かれているなど「ずさんな管理」と言える状態になっているなら、きちんと個人情報を管理するよう会社に申し出た方が良いでしょう。
次回は、不採用になった場合の履歴書の扱いについて、取り上げます。
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