インフレ目標
最近、マスコミ報道などで「インフレ目標(インフレターゲット)」という言葉をたびたび見聞きするようになりました。
インフレ目標とは、物価について「上昇率を年間で何%にするか」という数値目標を定めることをいいます。
物価のコントロールは中央銀行(日本の場合は日本銀行)の主な役割のひとつで、インフレ目標を定めることで国内経済全体の進むべき方向が明確になり、目標に照準を合わせた政策が実行しやすくなるのです。
すでに、中国、欧州などではインフレ目標が導入されていましたが、先進国では日本と米国だけが導入していませんでした。しかし、2012年1月に景気浮揚策の一環として米国で2%のインフレ目標が導入されました。
そして日本でも、長引くデフレから脱却するべく、日本銀行は2012年2月に「中期的な物価安定のめどとして1%をめざす」と発表しました。これは物価のコントロールを目的としたものですが、実質的にはインフレ目標が導入されたといえます。
そして、本年2013年1月22日、日本銀行は一歩踏み込んで「物価安定目標」の導入と数値目標を「2%」とすることを決定しました。
また、政府との共同声明も発表し、「デフレからの早期脱却と物価安定のもとでの持続的な経済成長の実現に向け、政府と日本銀行の政策連携を強化し、一体となって取り組む」ことを文書で明確にしました。
いよいよ本格的にデフレ脱却に向けた政策を講じる環境が整ったことになります。今後の政府や日本銀行の手腕が期待されるところです。
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