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PDCAサイクルを回す

「PDCAサイクル」という言葉をご存知でしょうか。


スポーツの世界でもビジネスの世界でも、その分野で成功し続けるためには、絶えず進化し続けなければなりません。強みを活かし弱みを克服することで、絶え間なく学習しレベルアップしていく必要があります。
「PDCAサイクル」は、個人や組織のあらゆる活動において「レベルアップ」していくための手法で、「絶え間なく学習」していくことが重要であることから「回す」と表現します。
これまでは、生産管理や品質管理など主に生産現場で活用されてきましたが、最近ではISO(国際標準化機構)における品質の維持・向上やビジネスにおける継続的な業務改善活動の基本的な考え方としてもクローズアップされてきています。


「PDCA」とは、それぞれの活動を表す単語のイニシャルからきています。

Plan  :目標実現に向けた行動計画を設計(改訂)する
Do    :行動計画を実施し、その効果を測定する
Check :測定結果を評価し、分析を行う
Action:改善・向上に必要な措置を実施する

この4段階を継続的に繰り返す(回す)ことによって、品質や業務などを改善することを目指します。


「PDCAサイクル」を日本に伝えたのは、米国の統計学者デミング博士です。まだ日本が戦後のGHQ統治下にある1947年に初来日し、統計的手法による品質管理の普及に努めました。
しかし、デミング博士の最大の功績は、単に品質管理の手法を教えただけではなく、「絶え間なく学習」していくことが重要だという経営哲学を日本に浸透させたことでした。戦後の日本の製造業を支えたQCサークル(同じ職場内で品質管理活動を自主的に小グループで行う活動)もデミング博士の哲学が根底に流れています。

統計学の分野では有名であったデミング博士ですが、米国企業が経営不振に苦しみ始めた1980年頃まで経営学の分野では全くの無名でした。
当時、世界市場に台頭し始めた日本企業の成功要因を探ったところ、経営学の分野では無名だった米国人統計学者が大きく貢献していたという、少し皮肉な話でもあります。

その後日本に遅れること30年、デミング博士は自身の経営哲学を米国に浸透させ、米国経済復興の基礎を築きました。

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